43番から44番は約80kmと、→足摺岬、→室戸岬、に次ぐ札所間距離があり、しかもアップダウンの激しい峠道を行くため、歩き遍路さんにとっては一番の難所かもしれません。
そうしてたどり着いた44・45番札所は、愛媛県でも雪が積もる高地・久万高原にあります。
近場はいつでも行ける=後回しになる、と言う訳で、この二箇所は一月に訪れました。
44番札所「大寶寺」
四国八十八ヶ所のちょうど折り返しとなるため「中札所」とも呼ばれます。
堂々とした仁王門には
大わらじ が吊るされています。
この大わらじは信者から寄進を受けたもので、100年に一度取り換えられるそうです。
急な石段を上った先には
木々に囲まれた、青い銅板葺きの屋根の本堂と、
右奥は総檜造りの豪壮な大師堂です。
年末の大寒波で降り積もった雪がまだ残っていることに驚きです!
納経はこちら
1番札所からおよそ850km、ようやく半分まで来ました。
45番札所「岩屋寺」
標高700mの切り立った断崖中腹にある山岳霊場で、車は麓までしか行けず、険しい参道をひたすら上ります。
さあここからが登山のスタート!
繁忙期には露店もオープンしますが、今はお休み中のようですね。
深い木立の中に参道が延びていきます。
しばらくすると山門に到着!
しかし、まだまだ境内は先なのです……
果てしなく続く石段と、急勾配の坂をひたすら上ること約20分、
ようやく寺の建物が見えてきました!
参道脇には苔むした石仏や地蔵が佇んでいます。
むき出しの断崖を見上げる境内、寺全域が国の名勝になっています。
岩に包まれるように本堂が立っていて、その脇には梯子が……
参拝の後、この急角度の梯子を上ると、
なかなかの絶景!チト怖いけど💦
降りる時が一番恐怖かも……💦
切り立った岩肌は、かつて海底にあったものが長ーい年月で隆起・浸食されたものです。
こちらが大師堂。そしてその左奥に、
弘法大師が修行されたという「逼割禅定(せりわりぜんじょう)」へ続く山門があります。
「逼割禅定」は大きな岩の裂け目を、鎖を頼りに岩山を上ってたどり着く所で、修験道の行者も修行される所とか。そこに入るには納経所でお札と鍵を借りる必要があります。
かつて一度だけ鍵を借りて岩まで行ったことがありますが、、、上るのは無理でしたね。
本堂下には「穴禅定」と呼ばれる洞窟があり、
その奥には、願いをかなえてくれる「かなえる不動」が鎮座しています。
岩屋寺公式ホームページより引用
空から見るとこんなに凄い場所なんですね!
別格6番「龍光院」
宇和島藩伊達家の祈願寺で、40番観自在寺の奥の院でもあります。
ここは秋に、40番の次に寄りました。
石段を登ると、
広々としてきれいに整備された境内からは宇和島の町が一望できます。
[筆者遍路スタイル]背中プリントTシャツと般若心経帽子(耳なし芳一帽)
別格霊場は二週目なので、重ね印を押していただきます。
別格8番「十夜ヶ橋」
弘法大師が野宿をしたと伝わる四国霊場唯一の野宿修行の場です。
弘法大師が大寒の日にこの橋の下で野宿をしたところ、寒さと空腹のために寝付けず、一夜とはいえ夜明けまでが十夜の長さに感じられたということから十夜ヶ橋と名付けられました。
遍路が橋を渡る時に杖をついてはいけない風習は、この話から起こったものです。
橋の下には、大師の野宿像が祀られています。
こちらは大師堂。
平成30年の西日本豪雨災害による水害により、大師堂は屋根近くまで水に浸かり、本堂は大変な被害を受けて取り壊されました。
こちらは仮本堂と納経所です。
別格7番は山中の難所で少し距離があるため、またの機会に訪れましょう。