四国遍路とは、
弘法大師空海の足跡を訪ねる、壮大な聖地巡礼です。
四国4県に点在する弘法大師空海(お大師さま)ゆかりの88箇所の霊場を巡りながら四国を全周する、全行程約1200kmに及ぶ回遊型巡礼路であり、
阿波(徳島)は「発心」
土佐(高知)は「修行」
伊予(愛媛)は「菩提」
讃岐(香川)は「涅槃」
の道場と名付けられています。
四国遍路に向かう目的や想いは「救い」「癒し」、また「供養」や「修行」など人それぞれですが、国籍や宗教・宗派・信仰心の有無・世代を超えて誰もがお遍路さんとなることができ、弘法大師空海とともに「同行二人」で一歩ずつ、次の札所を目指して進みます。
険しい山道や最果ての岬、のどかな田園地帯や市街地などをお遍路さんが行き交う風景は四国の風物詩であり、また四国には古くから、お遍路さんを温かく受け入れる「お接待」という文化が根付いています。
全ての札所を歩いて回ると40日以上の旅になりますが、昨今では自家用車・バスツアー・バイク・自転車・タクシーなどで巡る場合がほとんどではないでしょうか。
一度に全ての札所を巡礼しなければならないものではなく、順番通りに巡礼しなければならないものでもなく、思い立ったらいつでもどこからでも自由に巡礼を始めることができます。
巡礼のついでに各地を観光したり、温泉やグルメを堪能したり、といった楽しみもありますね。
では、遍路の装束を揃えて、参拝の作法をおさらいしましょう。
遍路の心得
1、装束
http://shop.botchan-ressha.com/
伊予鉄お遍路ショップ ホームページより
上記イラストは本来の遍路の白装束ですが、洋服の上に「南無大師遍照金剛」と書かれた白衣と、輪袈裟、金剛杖、菅笠を着ける略式パターンでも構いません。
もちろん必ずしも遍路装束をしなければならないわけではありませんが、衣装を整えることで、巡礼に向かう気持ちや心構えが随分と変わります。
納経帳、納め札、念珠、経本は必ず持ちましょう。
蝋燭と線香も用意してください。
こちらは私の使い古した装束です。
袖なし白衣、金剛杖、菅笠、山谷(さんや)袋
白衣の背中に、1番、88番、高野山奥之院で印を押してもらいました。(お好みで)
今回は納経帳を新調。小さいサイズです。
納め札は1〜4周目は白、5周目からは緑になります。
この念珠は「四国別格二十霊場」を回って集めた念珠玉を仕立てた物です。
輪袈裟は色・デザインいろいろありますので、装束で唯一個性?が出せるかと。
経本は般若心経や各札所の御本尊の真言などが両面に載っています。
山谷袋には、線香と蠟燭を収納する燈明セットがついています。
御影入に、各札所でいただく御本尊の「御影」を保存します。
2、お参りの作法
霊場に着いたら山門前で一礼します
手水舎で手を清め、口を漱ぎます
昨今の社会事情?により、中段のように水も柄杓もない所がありますし、下段のように自動水栓の所もあります。
次に、鐘楼堂へ
お賽銭をし、合掌し、そっと鐘をつきます。
下段のように「撞けない鐘」もあります。鐘がない札所もあります。
鐘を撞くのは必ず参拝前です。参拝の後に鐘を撞くのは「出鐘」といって、縁起の良いことではありません。
まず本堂から、燈明・線香をお供えします
四国八十八ヶ所霊場には、その寺院の御本尊が祀られている「本堂」と、弘法大師が祀られている「大師堂」が必ずあります。
「蝋燭は上から」がマナーです。
三本の線香に点火します。
この時、他の人が着けた蝋燭から"もらい火”をすることは避けます。その人の業をもらってしまうことになるから、と言われています。
そして「線香は真ん中から」もマナーです。
納め札を納め、お賽銭をします
納め札の色は
1〜4回目は白
5〜6回目は緑
7〜24回目は赤
25〜49回目は銀
50〜99回目は金
100回以上は錦(特注)
とされています。
経本の順番通りに読経します
この時、後からお参りに来られる方のために、中央を空けて読経するのがマナーです。
本堂では、般若心経の後に「本尊真言」を唱えます。
続いて大師堂へ
読経前の準備は本堂と同じです。
本堂との違いは、読経で「本尊真言」を唱えないことです。
祀られているのが仏様ではなく、お大師さま(空海)だからですね。
なお、参拝時に帽子は脱帽しますが、菅笠に限っては屋外では取らなくてもよいとされています。
最後に納経所で朱印の授与を受けます。
四国八十八ヶ所では、朱印を頂くことを「納経」と言い、納経帳や掛け軸、白衣にいただくことができます。
掛け軸、白衣は一度だけの押印、納経帳は1回目は朱印と墨書き、2回目以降は「重ね印」といって朱印だけを押印してもらいます。
納経料は、納経料300円、掛け軸500円、白衣200円です。
納経を受けると、各札所の御本尊の「御影(おみえ、おすがた)」を頂きます。
通常の御影は白黒ですが、別途200円でカラー御影を頂くことも可能です。
*納経時間は午前7時~午後5時まで
以上が大まかな参拝の流れです。
詳しくは次のサイトをご参照ください。
さて、令和5年は、弘法大師空海が宝亀5年(774年)に讃岐国で生まれてから1250年の記念の年に当たります。
そこで令和4〜6年にかけて、弘法大師御誕生1250年記念として様々な記念事業が行われます。
https://88shikokuhenro.jp/
四国八十八ヶ所霊場会ホームページより
私は今回で五回目の四国八十八ヶ所巡りとなりますが、信仰心や修行というより、
もはや趣味の一つなんですよね。
とにかく何か理由をつけてあちこち走り回りたい、というのが実の目的となっています。バチ当たりですみません💧
ところで、遍路は時間との勝負。
予め巡るルートやタイムスケジュールを決めておくのですが、納経所が閉まる時間が迫ってくると、ついつい駆け足になってしまいます。
五回目とはいえ、まだ知らないことや見落としているものもあると思いますので、今回は久しぶりに1番から順に、何回かに分けて(区切り打ち)、ゆっくり巡ろうと思います。
では次回、徳島県鳴門市の1番札所からスタートしましょう!
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