天照大御神の孫にあたる瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が、神々の住む高天原から地上に降り立ったことを指す「天孫降臨」。
その地が何処なのかは諸説ありますが、ここ「高千穂町」と、霧島連山にある「高千穂峰山頂」が二大候補地とされています。
私は正直神話には全く詳しくないので、大雑把に述べるのもおこがましいのですが、どうかご勘弁くださいね。
高千穂町の天孫降臨の地として伝えられる「くしふるの峰」には神話の史跡がいくつもあり、周辺は散策の遊歩道が整備されています。
朝の散歩で行ってみましょう!
↑「天真名井」
天村雲命(アメノムラクモノミコト)がこの地に高天原から水種を移したと伝えられています。
ケヤキの巨木の根元から今も湧き出ている水が、高千穂峡の水源とされています。
↑「槵觸(くしふる)神社」
古くは「くしふるの峰」全体を御神体として崇めていましたが、江戸時代に社殿が建立されました。
↑「高天原遥拝所」
降臨した神々が天を懐かしみ遥拝された場所で、天と地を結ぶパワースポットと言われています。
↑「四皇子峰参拝所」
四人の皇子(神武天皇と兄弟神)誕生の地と伝えられています。
↑「荒立神社」
天孫降臨を先導した猿田彦神とアメノウズメが結婚して新居を構えた地で、芸能と縁結びのご利益があり、芸能人もよく訪れるそうです。
左下:夏季大祭で拝殿に設置された茅の輪(ちのわ)の中を左まわり、右まわり、左まわりと八の字に三回通って穢れを祓います。
右下:七福徳寿板木(しちふくとくじゅばんぎ)
この板木を心をこめて力強く7回打つと願いが叶う、とのことで、カーンカーンと響きわたらせました。
高千穂町中心部には、神話をモチーフとした手作り人形や銅像があちこちに設置されています。
観光客は町を歩いて神話に触れ、地元の子供たちは故郷に誇りが持てる素晴らしい取り組みだと思いました。
そしたら、天岩戸神社方面に向かいましょう。
その途中には、日本の棚田百選に選ばれた栃又棚田など、日本の原風景というべき美しい田園風景が広がっています。
また、廃線になった線路を使った「あまてらす鉄道」のグランドスーパーカートで、高さ日本一の高千穂橋から絶景を楽しむこともできます。
「天岩戸神社・西本宮」は、天照大御神が弟の素戔嗚尊(スサノオノミコト)の乱暴狼藉に怒って隠れた天岩戸を御神体として祀っています。
↑ 一の鳥居、二の鳥居と天照大御神像
こちらの社殿には御神体を納める本殿がなく、拝殿のみの造りです。
その背後に天岩戸を直接拝観するための「遥拝所」があり、神職が案内してくれます。
朝9時から30分毎に無料、予約なしで拝観できます。
神職から天岩戸神話と拝観についての説明を聞き、お祓いを受けて遥拝所に入ります。
なお、ここからは聖地につき撮影厳禁 となります。
扉の向こうに進むと下に川が流れており、正面の断崖に注連縄をはった岩戸が見えました。
「本当にあるんだ…」と、熱いものが込み上げてきましたね。
遥拝所で参拝し、必死に目と記憶に焼き付けました。
(こっそりスマホを出して撮影しているおじさんがいました……よくないなあ……)
さらにここから徒歩10分ほどにある「天安河原」にも足を伸ばします。
渓流沿の遊歩道を進むにつれ
川の流れが強くなり
洞窟「仰慕ケ窟」が現れます!
ここは、天照大御神が天岩戸に隠れた際、困った八百万の神々が話し合いをされた地、と伝わっています。
河原の石を積みながら願い事をすると叶うと言われています。
古くから畏敬の念を持って人々から信仰されてきた、エネルギーに満ち溢れた凄い場所ですね!
天岩戸から出てこられた天照大御神が最初に住まわれた地、と伝わるのが「天岩戸神社・東本宮」です。
西本宮から徒歩5分ほどで、岩戸川を挟んで両岸に建っています。
一の鳥居をくぐると、天鈿女命(アメノウズメ)がお出迎え。
天岩戸から天照大御神を連れ出すために岩戸の前で踊った、アメノウズメの舞が神楽の起源と言われています。
森の緑に包まれ、静寂な空気が漂っている感じです。
御祭神は天照大御神です。
ここから天岩戸は見れませんが、天岩戸に距離がより近いので、より強いパワーがあるかもしれません。
社殿裏の御神水と、奥の森の御神木「七本杉」
天岩戸神社を訪れたら、ぜひ西本宮と東本宮の両方をお参りくださいね。
高千穂にはまだまだたくさんの神社や見どころがあり、あまてらす鉄道にも乗りたいけれど、そろそろ高千穂にお別れの時間です。
次の目的地は日向の海岸です。
「願いが叶うクルスの海」
岩が波に浸食されて、十字架が出現しました。
少し見にくいですが、すぐ横の岩を加えると「叶」と読めるのも、縁起がいいと評判を呼んでいます。
そして、 大御神社 へ。
山の中の高千穂から一気に海に出てきたので、とても明るくまぶしく感じます。
御祭神は天照大御神で、「日向のお伊勢さま」として知られています。
神武天皇が東征の際に参拝して、武運と安全を祈願されて出発したと伝えられています。
神社周辺の岩は柱状岩と、長い年月をかけて凝固した「さざれ石」が連なっています。
大御神社境内東奥の「龍宮」にも行ってみましょう!
狭い桟道を通って急な階段を下ると
洞窟が姿を現しました!
奥から外を眺めると、洞窟入り口付近の形が「昇り龍」のような姿に見えることから、縄文時代の人々が龍神信仰をしていた痕跡ではないかと考えられています。
上の写真ではずんぐりとした龍になってしまいましたが……
御朱印はこちら
絶景の大海原の前に、柱状岩を背に立つ、ダイナミックで美しい神社でした。