四国遍路5周目の続きで、54番札所からは愛媛県今治市に移ります。
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今治市には6つの札所が集まっており、それぞれ移動距離が10〜20分ほどの圏内にあるので、バイクで一気に回っていきましょう!
なお、今治市の札所には駐車場が有料の所が他に比べて多く、バイクなら駐車料金が安く済む、または不要というメリットもあります。
54番札所「延命寺」
奈良時代に聖武天皇の勅願で行基が開いたという古刹。
こちらは仁王門
山門は、明治初期に今治城門の一つを譲り受けたもので総欅造り。
山門をくぐると真っ直ぐな参道が延び、突き当たりに本堂、左側には納経所が並んでいます。
重厚な風格の本堂
御本尊は再三の火災すべての難を逃れていることから、「火伏せ不動尊」とも呼ばれています。
大師堂は本堂脇の石段を登った先にあります。
55番札所「南光坊」
名前に「坊」がつくのは四国霊場では唯一で、大三島の大山祇神社の別当寺でもあります。
平成10年に再建された立派な山門は、
背中合わせに四天王が守護しています。
この形式の山門は、四国霊場ではここだけとのこと。
鐘は山門中央上に備え付けられていますので、紐を引いてそっとつきましょう。
広々とした境内は、市街地にあるとは思えないほど静寂な佇まい。
山門からの正面には本堂。
大師堂は大正時代の建立で、戦火を逃れた歴史を感じさせます。
56番札所「泰山寺」
は、しまなみ海道への入り口、高速ICの近くに位置しています。
駐車場から境内まで徒歩1分、
山門はなく、左右に細長い広々とした境内の右側に位置する本堂。
大師堂のそばにあるのは、
「不忘松」(忘れずの松)
弘法大師空海が建立した際に御手植えされたという松の木の3代目にあたる子孫。
初代「不忘松」は枯れてしまいましたが、古い切り株は今も残っているとのこと。
57番札所「栄福寺」
は、こじんまりとしてアットホームな雰囲気の札所です。
境内に入ると、
左手には弘法大師像と、ふっくらとして柔らかい表情の「お願い地蔵尊」が並んでいます。
U字型になった境内の最奥にある本堂。
弘法大師空海が海の安全を祈願して護摩供の修法した満願の日に、海の中から姿を現した阿弥陀如来がご本尊です。
大師堂の外回りには、干支の彫刻が施されています。
栄福寺のご住職・白川氏は、ご自身の人生奮闘記「坊さん。」を「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載、2010年に「ボクは坊さん。」を刊行されました。
さらに、2015年には「ボクは坊さん。」が映画化もされまして話題となりました。
また、コロナで流行語?になった「不要不急」をタイトルにした本にも、著者の一人として名を連ねています。
58番札所「仙遊寺」
標高300メートルの山上にあり、
山門は駐車場へ向かう道路沿いにあります。
二層破風という型の堂々たる本堂。
大師堂は緑に囲まれてひっそりと佇んでいます。
納経所は本堂の中にあり、
天然温泉の湧き出る宿坊も設営されています。
境内からは市街地やしまなみ海道まで見渡せる、絶好のロケーションです。
59番札所「国分寺」
聖武天皇の勅願で全国に建立された国分寺の一つで、かつては豪華な大寺院だった伊予の古刹は、
度重なる戦災による焼失と復興を繰り返して今に至っています。
手水舎では、
近づくと自動センサーが反応し、「薬師のつぼ」から水が注ぎ出されます。
コンパクトにまとまった境内は、
左が本堂、右が大師堂で、線香立ては共通となっています。
体の悪い部分をご真言を唱えながら触れると治ると言われる「薬師のつぼ」
そして握手して祈願をすると願いが叶うという「握手修行大師」
ただし、一つしかお願いできないそうです…
次の60番札所からは西条市に移ります。